momiji3.gif越中八尾・おわら風の盆momiji3.gif

Fall in Love ★ おわらに恋する季節です。

 富山県は八尾町にて9月1・2・3日と行われる、おわら風の盆。210日の厄日である9月に豊作祈願を込めて各11町内が踊ります。胡弓・三味線・太鼓そして越中おわら節に合わせて踊られる、かかし踊り(男踊り)、四季踊り(女踊り)、豊年踊り…全国各地から3日間で約30万人もの観光客が訪れます。父が富山出身であるために富山の文化には色々と触れてきたものの、おわら風の盆は未経験(魚津の蜃気楼も未経験だやあ…)。ずっとずっと行きたいと思っていたお祭りです。また私は学校の研究で観光をテーマに祭りや町おこしを見て行きたいと思っており、夏休みの調査を兼ねて越中八尾を訪れました。調査のはずだったのに単に観光になってしまいました(笑)

8月30日〜31日

 微熱があるにも関わらず、8月30日の夜、池袋発の高速バスで富山へ向かいました。初池袋は怖くて怖くてたまりませんでした。どこになにがあるのか分からないので、駅構内のコンビニの前で2時間粘りました。とにかく怖くて怖くて…夜に知らない土地っていうのは怖いです。粘っている間、明らかにサザンのライブ帰りの男の方2人組を見て、ちょっと嬉しくなりました。サザンのライブがあったんだあ、と思うだけで元気になれました。まあ、ひとり怯えてたものの無事バスに乗り込むことができ安心。夏休みだからかバスは2台と多い…富山をなめてました(笑)
 6時頃、富山駅到着。小雨の中、明るいのは駅とコンビニ飲み。どこもやってません。これからの行動のためを考えて電車やバスの時刻を調べて、タクシーで親戚のお家へ。挨拶をして、就寝(笑)夜行バスの疲れが何ともかんともです。そんな私も11時には起き、おわら風の盆の前日調査として八尾へ行きました。富山駅から約1時間に1本という高山本線に揺られること30分…越中八尾駅に到着しました。駅を降りたのはどうも観光客らしき人。とりあえずおわら資料館に行こうと思うことに…しかし、一応まっぷるは片手にしているものの、どうしていいものやら分からなかったので、丁度駅前に来ていたせっかくだからコミュニティーバスに乗車。八尾の町をバスに揺られながら見学です。八尾町っていうのはハッキリ言って田舎です。私の実家は8月に市になってしまいましたが町でした。私の町はかなり都会化されてたんだなあと実感…とにかくどこか懐かしい匂いのする町です。何名か乗っていたのですが、多くの人が曳山展示館前で降車し、駅から乗ったのは私一人に…途中、バスを止め、道を歩いていたおばあちゃんに「乗りますか?」と声を掛ける運転手。「乗るねえ」とってもアットホームな暖かい町だと実感した一コマです。私は結局どうしていいか困ったので、そのおばあちゃんが乗り込むのと入れ替えに100円払ってバスを降りました。ここからが地図との睨めっこです。辺りに祭のためのぼんぼりがたててあったのですが、そこに記されている町の名前を頼りに地図と照らし合わして、おわら資料館を探しました。当たり前なのですが、どうしても地図のように道がないのです(汗)悪戦苦闘の末にようやく発見!思ったよりも小さくて可愛らしいところでした。

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 写真はおわら資料館の外観。古風な感じの小さな小さな資料館です。入場料は大人500円、小中高生300円です。私は大学生だから500円。受付で入場料を払い(受付の前では観光客方が明日から始まるおわら風の盆について質問してました。)資料館パンレットを頂きました。「体感してください。八尾ルネッサンス」とのフレーズが書かれています。そしてまず映像展示室に通されました。大型スクリーンを3方からの音響による臨場感溢れるコーナー。幻想的なおわら風の盆が味わえます。稲のざわめき感とか、もうそこはファンタジーの世界でした。それから資料展示室。八尾を訪れた野口雨情など有名人の名や、おわら風の盆が民俗芸能大会で表彰された時の記録などがありました。ふむふむ。五木寛之さんも訪れていたそうです。それから、おわらを描いた画家・林秋路の絵を見ながら、2階のギャラリーへ。ここではおわらの様子が流れていたり、昭和初期の全国民謡番付(越中おわら節は両横綱!!)や衣装や、おわらの踊り方等が記載されているパンフレット等の展示がありました。元は町中の人が踊るものではなく限られた人のためのおわらでしたが、パンフレットの発行をはじめとする、おわらを普及する行動のおかげで現在に至っているみたいです。踊りも色々な要素が取り込まれて変遷を遂げてきました。歌詞も新たに作られたりと時代と共に変わっています。ふむふむ。もっと観光客の方が来ているのかなあと思ったら5人くらいしかいませんでした。前日だからですね。

 おわらは11町が各町で一体となって踊ります。おわら資料館から少し歩いて行った今町付近の様子です。(左はおわら資料館のある東町にあるおもちゃ屋さん)

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おわら資料館近くのおもちゃ屋さん。おわらを踊る男女がかぶる編み笠が売っていました。

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特設ステージ。多くの方におわらを楽しんでもらうための配慮です。

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今町の公民館。こっそり中を覗いたのですが、おわらの準備の気配がありました。人がいたら話したかったな。

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公民館の掲示板。左が8月21日〜30日まで行われていた前夜祭のポスター。右はおわらのど自慢コンクールの告示。

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道の脇にはぼんぼりが立ちます。それのぼんぼり未完成の図。おわらの舞台裏が見えます。

 

 特に何も無かったので帰ろうと駅に向かう中、八尾ふらっと館なるものを発見。コミュニティーセンターみたいなものです。図書館もあったので資料探しに入ってみました。やっぱりおわら関係の資料がたくさんです。私がやりたいことに参考になりそうなものばっかり。明日も来ようと思ったら祭の間は閉館…せっかくの資料が…コピーだけでもできれば良かったです(涙)駅に戻り、20分ほど待って電車が来たのでそれに乗って富山に行きました。富山駅付近の本屋さんをのぞいたのですが、思ったほどおわらの資料になりそうなものがありませんでした。家に戻ってからは、美味しい焼き鳥と美味しいビールを飲みました。

9月1日

 午後3時ごろ越中八尾に到着。昨日とは打って変わって観光客がたくさんです。八尾駅前ステージの出演があと30分で始まるのでステージ前に陣とって待機。隣に座っていたおばさん(私のおばあちゃんぐらいの歳だと思われます)と話したのですが札幌から来たそうです。一度見たいと思ってのこと。お友達と来ているそうです。
 この日は天気がものすごくいいというわけではなかったのですが、雨も降らなさそうなので予定時間よりは少し遅くなったものの始まりました。雨が降ると楽器や衣装の関係ですぐに中止になります。地方と呼ばれる胡弓・三味線・太鼓・唄い手の所謂音楽隊に続いて優美な女踊りが始まりました。とってもとっても素敵です。それから勇敢な男踊り。なんてカッコイイことでしょう。中には茶髪の兄ちゃんもいる訳なのですが、今の若い人たちが祭に参加しているのはすごいですね。(私の地元では青年団が解散し、盆踊りなんて衰退する一方…)独特のおわら節に胡弓と三味線の音、太鼓のほどよいリズム、何と言っても女踊りと男踊り…久しぶりに感動させてくれました!!泣いてしまいました。私はおわらに恋してしまったようです。実は右の写真の左から2番目の人は片足を上げた体制でしばらくの間ポーズをとっていました。とてもすごいです!!

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 次は八尾ふらっと館での踊りを見に行こうと歩いていると、偶然町流しに遭遇。そして輪踊りを披露してくれました。東町支部です。明るい時間帯のおわらも素敵なので夜はもっともっと素敵なんでしょうね。
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 八尾ふらっと館での今町支部による踊り。雨の心配もありましたが何とかもってくれたので見ることができました。間近で見る男踊りは迫力があります。片足上げた時のポーズが好き(*^^*)

 

 町流しは各町で特に時間や場所が決まっているわけではないので計画して見ることができません。ふらふらしてれば出会えるかなあと歩いていると下新町の町流しに遭遇。辺りも少しずつ暗くなってきてぼんぼりの明かりがうっすらと雰囲気を出し始めました。観光客が多いのでロープで踊る場を確保しています。ちょっとどうなの?って思う方もいるかもしれませんが、祭りがスムーズに行われるための工夫と捉えるべきですね。指示を出す方も観光客に注意してました。踊り方は指先・足先まで神経が行き届いています。真ん中では子供たちも一緒におわらを踊っています。未来のおわら風の盆の主役たちです。 BMP39.gif BMP69.gif

 

 八尾町の奥の方へ行こうと思って歩いて行くと、場所は諏訪町。石畳と緩やかな坂が素敵な町。日本の道百選の一つだそうです。納得。どうも知っているような絵だなあと思っていると…主なおわらの映像はここの様子が流れているらしいです。たくさんの人がいます。時間的にも、ぼんぼりの明かりが似合ってきました。何だか人の流れに合わせて行動しているとどうも町流しをやっている様子。上手いこと陣とって町流しがやってくるのを待機です。NHKのカメラマンもいました。時間といい、背景といい、空気といい本当に本当に素敵なおわらが体感できました。今日1日で一番かっこいい男踊りと色っぽい女踊りです。観光客がもう少し静かだったらもっとよかったのに〜って誰もが思っているはずで(笑)でもでも見られただけで本当に良かったです。  BMP54.gif BMP61.gif
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9月2日

 ものすごく暑くて暑くてたまらない一日。曳山展示館と同じくする八尾観光協会にお話を聞こうというのが目的。その途中出あったのが踊る男性二人。どうも居酒屋らしきお店への披露みたいです。こういう心遣いが素敵ですね。草履を地面に打ち付けた時のピシッとした音にぞくぞくしました。
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上新町の町流し

 八尾観光協会は曳山展示館と場所を同じくして混んでました。非常に忙しそうなので質問を断念…メールや手紙で聞くことも可能なのでしょうがないです。暑さのあまり道の脇で休みつつ、歩いていると上新町の町流しに遭遇。子供たちも一生懸命踊っています。小学生高学年だと思われる男の子や女の子はもう大人と同じくらい上手に踊っています。伝統が受け継がれている様子が伺えます。今度は旅館に泊まっている方に見せるための踊りを見ることができました。いつもお世話になっていますという意味を込めてのことでしょう。 BMP6C.gif

 BMP72.gif 本日は早めに現地見学を切り上げて、富山駅前で今日までやっているという、おわら風の盆の夕べを見ることにしました。盆踊り風の屋台の上でミス富山らしき人も混じって踊ってました。民謡保存会の方々が歌声を披露してそれに合わせて踊っています。踊り手は男女とも未婚の26未満となっているはずなのですが…どうもおばさんも踊っているみたいです。あと男踊りを女性が踊っていました。本物とちょっと(!?)違うけれども、おわらの雰囲気は何となく分かるかもしれません。明らかに見せるためのおわらという気がしました。これは研究の重要ポイントになりそうです。最後は見物客も輪踊りに参加しておわらを楽しんでいました。イベントが終わった後、駅前でラーメンを食して、30分ほど夜風に吹かれながら歩いて帰宅。歩いていて思ったことは駅の外にはたくさんの観光バスがあったことです。駅付近に止められなかったバスが、駅から離れた道路にもいました。おわら風の盆の観光力(っていう言葉があるかないか分かりませんが)ってすごいんだなあ。帰りの電車で一緒に座ったおばさんは九州から来ていたそうです。息子が富山にいるとのこと。午前中は立山黒部アルペンルートに行ってきたそうです。1日と2日で南の人と北の人に会いました。                    

9月3日

 サザンの年越しライブは最終日が一番良いと言われるのと同じかどうかは分かりませんが、おわらも最終日が一番風情があるそうです。観光客も一番少ない日らしいです。この日は朝から雨で、雨になるとおわらは中止になるので行くかどうかためらって富山駅付近をウロウロしてました。5時ごろようやく雨があがり、何とかなりそうだなあと思ったので八尾へ。今日は夜行バスで帰る日なのであまり帰るのが遅くならないように注意です。天気は怪しいままですが、ちょうど良く福島支部の町流しが見られました。1日2日よりも観光客は少ないと思われるものの、それでもたくさんいます。しかし2日と明らかに違う点が一つ…屋台が無いのです。一般的に最終日は観光客が少ないのですが、それを見込んでのことか、観光協会から何か言われているからか…これも研究につかえそうなネタです。

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そろってきまってます!

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このポーズもカッコイイ!

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小中学生の男のたち(だと思われる…)

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笠からのぞく表情と指先がとても艶やかでドキドキ(笑)

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ちょっと若い女の子たち(だと思われる…)

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小さな子供たちも真似をしながら踊っています。

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手前の方はノリノリで胡弓を演奏してました。

 私の目の前を町流しが過ぎて行ってちょっとしたら…なんと雨!!楽器を抱えて屋根のある店先に駆け込む人々。踊り手も一目散に公民館へと駆けていきました。雨に濡れるとと胡弓や三味線の皮が剥がれてしまうので即中止になってしまします。胡弓や三味線の方は残念そうな顔の観光客にサービスして、店先にて演奏してくれました。雨が降ると大変ですなあ。

 雨も上がったので、私は歩いて聞名寺にて踊るおわら風の盆を鑑賞。
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 穴場(?)と言われる天満町の様子。小さなステージが作られており、その上で踊っている人もいて多くの人が見られるように工夫されていました。
 また、八幡社にて天気の悪い中、地方の人たちはテント中でしたが、おわらを見せてくれました。観光客への対応って大変です。もう少し滞在したかったものの、バスの時間もあることなので富山に戻ることに。駅に戻る途中、福島公民館前には人が並んで混雑しています。公民館内でおわらを演じていて、それを見るために並んでいるみたいです。雨なら中止と言っておきながらも、観光客への心遣いを忘れないのが八尾の人たちです。


 越中八尾・おわら風の盆の旅は本当に楽しかったです。久しぶりに感動しました。あとはレポートが書ければ完璧…
 この旅で完全に私は、おわらに惚れて恋していましました。秋の風吹く中、Fall in Love…

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